2人の若い女性が「早大赤道アフリカ遠征隊」に参加、赤道の屋根といわれるキリマンジャロ(6050m)登頂を目指し1日の特急「はと」で東京を出発、4日神戸出港の大阪商船の長崎丸(9591トン)で現地に向かう。
早大山岳部OB、婦人画報記者後藤董子(のぶこ)さん(25)と早大文学部4年鈴木耿子(けいこ)さん(21)の2人で一行は早大理学部関根吉郎(42)同吉阪隆正(40)両助教授ら9人。
キリマンジャロに日本人が登るのは女性ではもちろん、男子山岳家でも初めてである。
(カットの写真はキリマンジャロ、漫画は松下喜久雄)
巨人国や小人国への訪問を楽しみに
語る 後藤さん、鈴木さん
1行は先行隊が空路英領ケニアにとび、モンバサで本隊と合流、ニッサン・ウエポン・キャリヤー自動車2台に分乗してライオンや象の遊ぶケニア草原をキリマンジャロに向けて走る。
1月中旬同山登頂後ウガンダ、タンガニカ、ベルギー領コンゴを通りアフリカ横断、来春3月レオポルドビルに着く予定だ。
途中世界一の巨人王国バッティー族や小人国のピグミー族をも訪れるというので冒険好きな2人の心は早くも現地に飛んだ様子。
152センチしかないチビさんの後藤さんは「巨人たちは2メートル以上あるそうですから、私など巨人のオヘソに届く位かしら」と笑う。
山形市の「後藤又兵衛」という勇ましい名の旅館のお嬢さんだけあって早大山岳部最初の女子部員。山に登りだしてから10年の経験をもつので「自信はある。ただ6千メートル級の山ははじめてなので高いことだけが心配」という。