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 コンビの鈴木さんは憲法学者静大教授鈴木安蔵氏の次女、163センチの長身なので「小人国にいったらもしかすると私がいちばんノッポになるかもしれない。

 高いところに登るのは子供のときから好きだったからキリマンジャロぐらい平気」だそうだ。「学芸大付属中の2年生だったころ、男の子に対抗して地上35メートルの学校のエントツに登ってしかられたことがある。

 女流山岳家だけのパーティーで登山できるような世の中に早くなるとよいが、私らがその踏み台になれば幸い」となかなかの負けずぎらい。

 大陸横断約1万キロを走破する自動車は日産自動車の提供で早大自動車部員、商学部4年川井勝義君(22)同部OB大野正樹君(27)が運転、お医者さんには早大診療所医師杉山正氏(32)が加わる。

 また第1次南極観測隊員として活躍した日映カメラマン林田重男氏(47)と南米アコンカグア登山隊に参加した早大山岳部OB、今村俊輔氏(26)─日映カメラマン─とが3万フィートのカラーフィルムを携行、シネマスコープで遠征隊の活躍ぶりをカメラに収めることになっており、1行は来年4月帰国の予定だ。

純粋なスポーツの遠征

         遠征隊の主催者
     早大体育局長赤松保羅氏の話

 これは純粋なスポーツの遠征だ。女性が各方面で活躍しているが、山岳部門でも今後大いに活躍してほしいので2人の女性にはとくに期待している。キリマンジャロ登山だけでなく日本女性のアフリカ踏査は初めてだが、2人は山の経験も知識も十分もっているので心配ない。
 登山のほか、2人は各地で服飾、風俗などいろいろ研究してくるといっておりその報告が楽しみだ。