昨年35周年を迎えた「紫蘭会」は60~70代の女性会員を中心に活躍している登山同好会。″好奇心″と″自立″をキーワードに自分らしく若々しく、山歩きを楽しんでいます。
1975年に発足し、昨年35周年を迎えた「紫蘭会」は女性ばかりの山歩きの会。現在も50~90歳の会員約100名が在籍し、登山人生を楽しんでいます。しかもその姿は実年齢よりも20歳は若い!?と評判。そこで主宰者の小倉董子さんに若さの秘訣を伺ってみると、
「やはり精神的なものが大きいと思いますよ。山へ行って自然に触れ、仲間と話す。それだけで心も体もリフレッシュします。あとは、ちょっとした冒険心。私はね、ワクワクする気持ちがなくなったら人間終わりだと思っているの」
そもそも、連れられ登山(誰かに連れて行ってもらう登山)からの脱却を目指し発足された「紫蘭会」。
当時のお話を伺うと、
「とにかく自立心を養わなくてはと『紫蘭会方式』というシステムを考え、導入しました。このシステムは会員全員が必ずリーダー(幹事)を経験する決まりで、それが山と人を知る最短距離と信じたからなんです。なぜならリーダーという苦労をあえて体験することで、自立心や判断力が養われる。また、他人を思いやる気持ちも自然と生まれる。想定外のことが起こる山では、知識を身につけることも大事ですが、それ以上に精神力も必要。自分の能力がどの程度なのか確認するきっかけにもなるんです」と小倉さん。
また、みんなが同じ苦労をすることで結束力、チームワークが生まれ、協力し合って、楽しく山歩きができるようになるといいます。さらに、「紫蘭会のモットーは『自立したメンバーが安全に生涯楽しむ山歩き』。厳しい登山をやっているわけではないけど、根本には『運命共同体』という意識がなければうまくいかないんです」。
さまざまな時代を乗り越え、今やっと成熟期を迎えた「紫蘭会」。自然の素晴らしさを体験し、人との関わりの中で人生を学ぶ。そして常にワクワクする気持ちが若さにつながり、すべての原動力になる。「紫蘭会」の山歩きには、生きるヒントが隠されています。
自然相手の山歩きは行ってみないとわからない未知の世界。ワクワク、ドキドキする気持ちと「どうなっているんだろう」というちょっとした好奇心が若さを保つ秘訣なのです。
「紫蘭会」では全員がリーダー(幹事)を経験するのが決まり。一度経験すると、人の立場に立って、相手を思いやる気持ちや、自立心や判断力がいつの間にか養われます。
共通の趣味を通して、世代や考え方の違う人たちとホンネで語り合えるのが「紫蘭会」。ひとりでいるよりずっと視野が広がり心も柔軟になります。気分転換にも有効です。
階段の上り下りや、踏み台昇降を行うなど日々の運動で筋力、持久力を保持するのが大切。山はトイレが少ないため、日ごろから腸の調子を整える食生活を実践しています。