紫蘭会誕生から
ネパールの山旅まで
紫蘭会顧問
総隊長
小倉董子

 ACC女性のための登山入門講座が特別講座として開講されたのは、昭和50年7月だった。果たして受講希望者がいるだろうか、不安と期待の入り混じったスタートであった。しかし、山仲間を求める女性たちが、意外に多いことを知らされたのだった。

 

 そして、同年12月、修了生による忘年会で、同好会紫蘭会発足というハプニングまで起こり、その熱気に圧倒されたものだった。何も知らん会のよちよち歩きからスタートして満5年たったいま、自力で歩きはじめた会の素晴らしいパワーに、拍手をおくりたい。

 

 歴史には節目が大切である。前々から「海外の山へ行きたい」という声はあったが、機の熟するのを待っていた。海外へ旅することは、風土、風俗、習慣などの違いを知るだけでなく、見知らぬ国の人々にめぐり合うことによって、視野も広がる。それがまた日本の再発見や、自分の再発見にもつながる。

 

 日本の山も満足に歩いていないのに…という考え方もあるかも知れない。しかし、夢がかなえられることによって、多くの会員の励みになってもらえればいい。無理のない計画であれば、海外の山も可能である、という実績にもなる。

 

 そこで、5周年を記念して計画されたのが、ネパール・トレッキングである。幸い五百沢氏の協力を得ることができた。厳しい場面もあったが、無事楽しいトレッキングを終ることができた。紫蘭会の底力を見る思いだった。報告書を見ていただければ、メンバーそれぞれの思いがわかってもらえるだろう。