「やるしかない!」
中国雲南山麓トレッキング
紫蘭会顧問
訪中団団長
小倉董子

多くの問題をかかえた雲南山麓トレッキングだったが(吉田事業部長の経過報告ー立派に果たした日中友好トレッキングー参照)、やるしかない!」 と決断が下されたのは、出発予定の三か月前だった。そのため、中国トレッキングには、ぜひ参加したいと希望していた会員には、まことに申し訳ないスケジュールとなってしまった。

参加者は会員11名、平均年齢58歳、最高年齢75歳というメンバーで構成された。メンバーが高年齢ということで、多少の不安はあったが、日頃心身共に錬磨された紫蘭会の会員だけに、思いやりと助け合いの精神に支えられて、心に残る山旅となった。

開放後3年目。未知なるが故に魅力あふれる雲南の地である。胸をおどらせ中国の大地に足をふみ入れたのだった。どんなことが起こるかわからないと覚悟はしていたものの、10時間のドライブのあと大理に到着。

私たちを待ち受けていたのは、全市街停電と点蒼山禁止令というハプニングであった。まさに文字通りのお先真暗であった。 北京から派遣された周先生の偉力も功を奏さなかった。登山禁止令の原因が同じ日本人の不始末といわれれば、引きさがるしかない。やり場のない怒りと口惜しさをかみしめるだけだった。

幸いメンバーの理解と協力のおかげで、パニックもおこらず、山寺めぐり、ジカイめぐり、少数民族の家庭訪問など、旅を楽しむ余裕をもっていただけたことは、団長として心からお礼を申し上げたい。

点蒼山は眺めるだけに終ったが、玉龍雪山トレッキングが可能となりほっと胸をなでおろした。不順な天候にはらはらさせられたもののドラマチックな玉龍雪山との出会いは、深く心の奥底に刻み込まれ感銘を与えてくれた。

雲南はちょうど実りの秋、日本の40年前を思わせる稲の刈り入れ風景に、あらためて日本の急速な発展に考えさせられる思いだった。

    

毎日、毎食手造りの雲南料理に幸せを感じたのは、私だけではなかったはずである。「やっぱりやってよかった、いってみてよかった」というのが、今回の雲南の山旅の印象である。日中平和観光の戸井川さんの絶大なるかげの力があったればこそと感謝している。